鋭いながら柔らかみのある形状の超軽量脱着式PC - Let’s note XZ(パナソニック)

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ビジネス用途の実用性、堅牢性、直販モデルのみながら圧倒的なカラーバリエーションで有名なPanasonic Let’s noteシリーズにおいて、脱着式モデルLet’s note XZが発表されました。仕様の詳細は省きますが、注目すべき点も多いので大まかにご紹介します。重量は1.019kgから1.224kg、タブレット部分で550gから665g、画面は12.0型となっており、Core i搭載、12型画面、脱着式ノートPCとしては世界最軽量です。この重量の数値は、公式サイトにおいて、店頭モデル直販モデルを別々に記述しているので、それらを全てまとめています。合体時の製品のジャンルは中型モバイルノートPCであり、基本的な特徴はこちらをご覧下さい。インタフェースはUSB×3、VGA、HDMI、有線LANなどをアダプタなしで使用可能です。また、オプションながら、「Windows Ink」対応の1,024段階の筆圧検知のアクティブペンが使用可能となっており、Let’s noteではおそらく初めての本格的なペン対応となっています。MXにペンが付属していますが、非常に原始的なペンで、使用感などが完全に異なります。製品カテゴリとしては、中型モバイル2in1PCとなりますが、このカテゴリの基本的な特徴はこちらをご覧下さい。

閉じたLet's note XZ6の上面
閉じたLet’s note XZ6の上面

では、デザインを見ていきましょう。閉じたときの形状はもちろん角を丸めた板状の直方体です(図「閉じたLet’s note XZ6の上面」)。主要な面はどれも反対側の面と並行、すなわち、厚みの変わらない形状です。目立つ線は直線が多く、目立つ角も90°が多くなっていますが、部分的に半円が使われています。天板のカメラ部分は長方形の左右に半円をつないだような形状をしています。一部の角や辺も丸めてあり、使用するときに机においた場合、前後の面や辺を丸め、左右の面や辺はあまり丸めないようになっています(図「閉じたLet’s note XZ6の右側面」)。例えば、画面側とキーボード側の手前がそれぞれ円柱の半分のような形状をしており、同様に奥の面も、円柱の半分のような形状をしています。それに対して、側面は画面側もキーボード側もほぼ平面で、ほぼ垂直に切り立っています。そのために、左右の側面を見ると、薄い長方形の左右に半円がついたような形状をしています。このように、基本的な形状はパナソニックらしい鋭さ一辺倒ではなく温かみや柔らかみをもたせた形状になっています。トラックパッドもLet’s note伝統の円形で、丸い印象をより強めています(図「開いたLet’s note XZ6の正面」)。

閉じたLet's note XZ6の右側面
閉じたLet’s note XZ6の右側面
開いたLet's note XZ6の正面
開いたLet’s note XZ6の正面

Let’s noteの歴代の大型モデルチェンジからデザインを見ていきましょう。一つ前にモデルチェンジして登場したSZは非常に角が丸く、天板の膨らみも強めで、トラックパッドは円形です。SZの前に登場したRZは、角はあまり丸められておらず、天板はかなりフラットで、トラックパッドは四角です。RZの前のMX、MXの前のAXも、RZと同様の傾向です。今回のXZは、前々モデルMXまでのデザインと前モデルのSZの中間的なデザインになっていることがわかります。

丁寧にデザインされたLet’s note XZですが、若干の不安を感じさせるのが天板の形状です。取り外してタブレットとして使用する場合、机にべったり置くとすると天板に傷が付く可能性が高そうです。傷が付かないようにするゴム足なども見当たらないため、色の選択までできる美しい天板を無防備に置くのは気がかりです。

Panasonicの脱着式モバイルノートPCであるLet’s note XZのデザインをご紹介しました。Let’s noteといえば性能や機能、定評ある信頼性に目が行きがちですが、このXZは鋭さ一辺倒ではない柔らかみもあるデザイン、脱着ギミック、高度なカラーバリエーションなどの多くのデザイン要素も大きな魅力といえるでしょう。

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Dynabook Vシリーズは、ここ最近の日本製ノートPCの例に漏れず、全入りモバイルノートPCとなっています。詳細な仕様は省きますが、高性能CPU、タッチ対応の12.5型画面、クリエイター用途にも使える本格的なペン対応、画面が裏まで曲がってタブレットPCに変形する機構、急速充電機能付きの長時間使用可能なバッテリー、高性能スピーカー、高耐久性、上位機種の顔認識、約1.1kgの重量など、現在の知られているモバイルノートPCに必要とされる要素のほとんどを備えており、モバイルPCの歴史を作り上げてきた東芝(東芝クライアントソリューション)渾身の製品と言えるでしょう。足りないのは、アダプタ不要の豊富なインタフェースくらいです。

デザインを見ていきましょう。機能満載のモバイルノートPCだけあって、審美的なデザインを施す余地が少なく、基本的に機能がデザインの多くを決めてしまうタイプとなっています。色は「オニキスメタリック」と呼ばれていますが、オニキスからイメージされる黒と言うよりは、明らかにグレーと言った色合いで、あまりメタリックでもありません(図「Dyanabook V62本体」)。グレーはわずかながら茶色に寄っており、無彩色の冷たい印象を和らげています。閉じているときに、上から見ると、角が多少丸い長方形、横から見ると、厚みは余り変化しない形状となっています。厚さは15.4mmで、画面が裏まで曲がるノートPCとしてはかなりスリムです。2016年秋のMacBook Pro 13インチは、Dynabook Vと画面サイズとCPUのグレードが似ているますが、厚さは14.9mmとDynabook Vより0.5mmしか薄くありません。MacBook Pro 13インチは、画面のタッチ機能はなく、画面の回転機能もないことを考慮すると驚異的です。

Dyanabook V62本体
Dyanabook V62本体

天板は、マグネシウム合金製となっており、横向きのヘアラインが入っています。ヒンジに近い側に「dynabook」の白いロゴが入っている以外は何も書かれていません。どこでも使えるような落ち着いたシンプルなデザインでありながら、冷たい印象になり過ぎないようにわずかに茶色っぽくしあるのは好感が持てます。ただ、あまりヘアラインのきめが細かくなく、質感はそこまで良好とは言えません。

左右の側面は基本的に、下に行くほどすぼまった形状をしています。これにより本体を持ち上げるときに手に取りやすくなっています。この形状は、マイクロソフトのSurfaceシリーズや、かつて一世を風靡した高性能モバイルノートPCであるSONY時代のVAIO Zの2代目を思わせます。側面が垂直に切り立ったノートPCと比べると、持ち上げやすさが明らかに違います。奥側左右のUSBポートなどが出ている部分などは垂直に切り立っています。

開いた状態を見ていきます。キーボード部分は、キーの色は黒で、キーボード全体は直線的なラインの入った傾斜によるへこみの中にあります。こちらも、SONY製2代目VAIO Zを思わせるデザインです。Dynabook Vの写真SONY製2代目VAIO Zの写真を見比べると、キーボード周りが似ていることがわかります。天板同様、書かれている文字は少なく、右奥に搭載スピーカーのメーカーである「harman/kardon」と、右手前に「dynabook」ロゴが白で書かれているくらいです。トラックパッドはほぼ長方形ですが、最近の東芝のノートPCの定番デザインを踏襲し、奥の左右の角がはっきりわかるように丸くなっています。手のひらが当たることを防ぐためでしょう。あと、タブレットモードのときにキーボードが机に触れないようにするための小さなゴム足が、左右の端とヒンジの手前に、目立たない色で取り付けられています。本体を支える裏のゴム足が黒いのと比較すると、目立たないようにしているのが明らかです。以上を合わせるとデザインの方向性が揺らいでいるように見えます。いくらか角を丸めた本体、直線的なキーボードの周囲、はっきりと丸くした角と鋭い角を持つトラックパッドと要素毎に方向性がバラバラです。キーボード周りが似ているSONY製2代目VAIO Zは直線的なイメージにこだわってデザインされており、それと比べると明らかに方向性があいまいです。

画面は、つや消しのパネルで覆われており、タッチとペン対応のディスプレイらしく黒い縁がかなり広めです。縁には天板がわずかに回り込んでその色が見えます。文字は左下に白く「TOSHIBA」が書かれているだけです。最下部の辺全体が少し出っ張っており、出っ張りの左右にヒンジが配置されています。画面側も余計な要素がないようにデザインされているのがわかります。タッチ対応画面の広い縁と裏まで曲がることに対応した左右のヒンジという組み合わせは、Let’s note RZやMXなどの画面が裏まで曲がる機種のデザインを思わせます。ただし、この類似性は、デザインをまねたと言うより、このような機能なら同じような形状になるということでしょう。

各部のデザインを見てきましたが、いくらか暖かみのある落ち着いたシンプルなデザインであることがわかります。ただし、細部を見ていくと、洗練しつくしたレベルではなさそうです。また、PC好きの方なら、SONY製2代目VAIO ZとLet’s noteの裏まで画面が曲がる機種をつなぎ合わせたように見えるかも知れません。ただし、機能と性能に関しては非常に優れており、デザインの細かな粗など気にする必要のないすばらしい製品であることは確かです。

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