狭額デザインに進化した定番高級メカニカルキーボード- REALFORCE R2(東プレ)

R2SA-JP3-BK 東プレ REALFORCE SA R2 リアルフォース 日本語112キー 静電容量無接点方式 静音/APC機能付き かな表記なし(ブラック)

価格:30,020円
(2018/9/21 00:09時点)
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東プレから高級メカニカルキーボードの定番であるREALFORCEの新世代製品REALFORCE R2が登場しました。今回は本格的な新製品で形状も新しくなっており、4シリーズ8機種が登場しました。

4シリーズの内訳は、標準モデル(図「REALFORCE R2標準モデル「アイボリー」」)、タイプ音が静かな静音モデル(図「REALFORCE R2静音モデル「ブラック」」)、キースイッチの反応位置を変更できるAPC(Acutuation Point Changer)モデル、タイプ音が静かでキースイッチの反応位置を変更できるAPC静音モデルとなっています。それぞれに、「アイボリー」と「ブラック」のカラーバリエーションがあります。単に色が違うだけでなく、後で説明しますが機種と色ごとにキー荷重やデザインの詳細が複雑に異なっています。

REALFORCE R2標準モデル「アイボリー」
REALFORCE R2標準モデル「アイボリー」
REALFORCE R2静音モデル「ブラック」
REALFORCE R2静音モデル「ブラック」

REALFORCEシリーズの最大の特徴は、独自の静電容量無接点方式による高品質な独特のタイプ感です。高級メカニカルキーボードには、茶軸とか青軸とか言われるスイッチの部品が使われている製品が有名ですが、REALFORCEシリーズは、それらとも異なる独特のタイプ感によりロングセラーとなっています。高級キーボードに関心のある方で、静電容量無接点方式のキーボードを触ったことのない方は、一度は触っておくと良いでしょう。REALFORCE R2シリーズにおいても高品質なタイプ感は健在で、旧REALFORCEと変わらない印象です。茶軸や青軸と呼ばれる部品が使われている製品やLogicoolのK840などよりぐらつきが少なく、スムーズに押し下げられる高品質なタイプ感です。もちろん、タイプが底に当たったときの堅さと安定性、重量による安定感も変わりません。

REALFORCE R2の各機種の特徴
機種 R2-JPV-IV R2-JP4-BK R2S-JPV-IV R2S-JP4-BK R2A-JPV-IV R2A-JP4-BK R2SA-JP3-IV R2SA-JP3-BK
モデル分類 標準モデル 標準モデル 静音モデル 静音モデル APCモデル APCモデル APC静音モデル APC静音モデル
「アイボリー」 「ブラック」 「アイボリー」 「ブラック」 「アイボリー」 「ブラック」 「アイボリー」 「ブラック」
キー荷重 30、45、55g混在 45g 30g、45g、55g混在 45g 30、45、55g混在 45g 30g 30g
右上のワンポイント 「ブラック」 「ブラック」 「ガンメタリック」 「ガンメタリック」 「シルバー」、APCキー 「シルバー」、APCキー 「クリアシルバー」、APCキー 「クリアシルバー」、APCキー
キーのかな表示 あり なし あり なし あり なし あり なし
キーの文字色 薄い茶色 薄い茶色

キーの特性はモデルごとに複雑で(表「REALFORCE R2の各機種の特徴」)、APC静音モデル以外の「アイボリー」は、ブラインドタッチ使われる定番の指に合わせて30g、45g、55gの3種類のキー荷重が配置されています。APC静音モデル以外の「ブラック」はどのキーも45gとなっています。APC静音モデルは色に関係なく、どのキーも30gと軽いキー荷重となっています。普通に使うなら3種類のキー荷重が適切に配置されているAPC静音モデル以外の「アイボリー」がタイプしやすいでしょうが、45gキー荷重で揃えているAPC静音モデル以外の「ブラック」でも十分に快適で、明らかに「アイボリー」より入力しにくいとまで感じる人は少なそうです。色の好みで選んでも問題はないでしょう。また、ホームポジション中心のブラインドタッチではなく、ゲームで使うような場合なら「ブラック」の方が良い場合もあるでしょう。APC静音モデルのキー荷重30gは、多くの方が軽さを感じることができるのではないでしょうか。REALFORCE R2のキー荷重の仕様は複雑なので表「REALFORCE R2の各機種の特徴」などを参考に、触ってから決めると良いでしょう。

静音モデルと標準モデルの違いですが、静音モデルの方が明らかに静かであり、静粛性が重要なら選ぶ価値があります。ただし、静音性だけを探求して作られた他の製品と比べると劣るのは確かです。やはり、高品質なタイプ感を優先した上での静音設計となっているようです。APCモデル、APC静音モデルは右上のAPCキーにより、キースイッチの反応位置を1.5mm、2.2mm、3mmの3段階に設定可能です。

デザインの方を見ていきましょう。基本的には実用性重視となっており、飛び抜けて特別なデザインが凝らされているわけではありません。形状は、もちろん薄い板にキーが並んだ形状をしています。全体的にはキーを除いた部分、すなわちフレーム部分は、旧製品より直線的です。旧製品は前面の角が曲線を描いていましたが、今回は直線で構成されています。また、キーボードの縁が狭額化され、多少省スペースとなっています。直線部分の増加と狭額があいまってかなりシャープな印象に変わっています。

色は「アイボリー」は事務機器では定番の真っ白ではない白となっていますが、明らかにベージュとかグレーというような色ではなく、白と言っても問題ないくらいです。「ブラック」は黒と言っても良いですが、細やかにコーディネートしたい方はダークグレーと理解したほうが良いでしょう。実際、APCモデル、APC静音モデルの「ブラック」のキーには黒い文字が書かれており、それが十分に読めることからもわかると思います。また、旧REALFORCEシリーズの「黒」よりもわずかに明るいだけでなく、それよりもさらに明るい類似の製品であるHappy Hacking Keyboardシリーズの「墨」よりもわずかに明るい色となっています。

右上のCaps Lockなどのインジケータや、APCモデルではAPCキーが並んでいる部分に、艶のある暗めの色のプラスチックによりデザイン上のワンポイントが追加されました。これにより、インジケータがそこにあることが強調され、インジケータのLEDも見やすくなっています。標準モデルは「ブラック」(図「REALFORCE R2標準モデル「アイボリー」の右上」)、静音モデルはザラザラした茶色がかったシルバーの「ガンメタリック」(図「REALFORCE R2静音モデル「アイボリー」の右上」)、APCモデルはAPCキーが配置されて「ガンメタリック」より明るい「シルバー」、APC静音モデルはAPCキーが配置されて「シルバー」より明るい「クリアシルバー」となっています。一目で旧REALFORCEシリーズと差別化できるのは良いのですが、標準モデルの「アイボリー」などは全体の白と右上の黒で少々うるさいデザインとなってしまいます。逆に標準モデルの「ブラック」が一番すっきりとした硬派なデザインとなります。右上のワンポイントは、機種や色をデザインから選ぶときの重要なポイントになるでしょう。このワンポイント内の上部にはREALFORCEロゴが描かれています。もちろん、ロゴ内のワンポイントである赤い「A」もいつも通りです。さらに、このインジケータのLEDは7色の切り替えが可能で、「Fn」+「Insert」キーで切り替えることができます。

REALFORCE R2標準モデル「アイボリー」の右上
REALFORCE R2標準モデル「アイボリー」の右上
REALFORCE R2静音モデル「アイボリー」の右上
REALFORCE R2静音モデル「アイボリー」の右上

キーの文字も機種ごとに違いがあります。キーのかな表示は「アイボリー」にはあり、「ブラック」にはありません。機能面ではかな表示はあったほうが良いでしょうが、使わない方にとってはない方がすっきりします。キーの文字の色は、「アイボリー」は黒、標準モデルと静音モデルの「ブラック」は薄い茶色、APCモデル、APC静音モデルの「ブラック」は黒となっています。ダークな静かなデザインが好みなら、APCモデル、APC静音モデルの「ブラック」の主張のないキーは魅力なのですが、右上のワンポイントが「シルバー」や「クリアシルバー」のような明るい色であったりと難しいところです。

久しぶりのモデルチェンジをした高級キーボードREALFORCER R2をご紹介しました。高品質なタイプ感は変わることなく、狭額でシャープなデザインやAPC搭載モデルの追加など魅力的な製品です。価格は2万円程度からと、千円のような安価な製品もあることを考えるとかなり高価格です。しかしながら、PC本体などと異なり5年とか10年単位で使用可能で、直接触れるキーボードは快適性がはっきりとわかるため、好みに合えば非常に良い買い物となります。やる気の起きない仕事のとき、このキーボードで入力したときのささやかな快感が背中を押してくれることもあるでしょう。注意点は機種選びです。キー荷重、デザイン、機能などが機種ごとに非常に複雑に入り組んでいます。

東プレ R2-JPV-IV(アイボリー) Realforce 有線キーボード 日本語配列 かな有り

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木の内装とブルーメタリックの外装の路面電車 - 「みなと」(水戸岡鋭治、長崎電気軌道)

るるぶ長崎(’19) ハウステンボス・佐世保・雲仙 (るるぶ情報版)

価格:972円
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JR九州の800系新幹線や特急「白いかもめ」、岡山電気軌道路面電車MOMOなどを手掛けたことで有名な水戸岡鋭治氏の作品が、長崎の路面電車にもやって来ました。長崎の路面電車の事業者である長崎電気軌道は、近年、乗り降りがしやすい新型の低床車両を複数導入していますが、この「みなと」(図「路面電車「みなと」の外観」)は、従来からある車両のリニューアルとなっています。

路面電車「みなと」の外観
路面電車「みなと」の外観

基本的な形状は、もちろん、路面電車の基本である細長い直方体ですが、古い車両らしく、角はゆるやかに曲り、正面と上面が緩やかに膨らんだ形状です。窓は基本的に角がとがった長方形ですが、正面の窓は正面の一番右上と一番左上の角に当たる部分のみ丸められています(図「路面電車「みなと」の外観」)。全体に昔ながらのイメージの形状です。

外装はブルーメタリックになっており、鉄道車両の外装としてはかなりきらびやかです。水戸岡デザインでは、文字や模様が描かれる場合が多いですが、「みなと」も例に漏れません。正面中央には、ゴールドの線で縁取られた黒い領域にゴールドの文字で描かれた「MINATO|みなと」、正面左下には同様にゴールド縁と黒の長崎電気軌道のロゴが描かれています。一方の正面右下にはゴールド縁に黒の猫が、もう一方の正面右下にはゴールド縁のみの猫が描かれています。長崎駅前電停で見た場合は、グラバー園に向かう正面側に、ゴールド縁に黒の猫が描かれています。側面中央には、正面中央と同じ「MINATO|みなと」や、ゴールドの線だけで描かれた「みなと」や猫が描かれています。側面の猫も黒塗りがあるものとないものがあります。また、猫はちょっとした注目ポイントで、よく見るとしっぽが曲がっています。長崎は猫が多い街ですが、それだけでなく、「尾曲がり猫」などと呼ばれるしっぽが曲がっていたり、変形したりしている猫が多いことでも有名なためです。長崎で猫を見かけたらしっぽを確認してみましょう。

路面電車「みなと」の車内
路面電車「みなと」の車内

内装も水戸岡デザインらしく、木の使用、繰り返しの中の変化、輪郭が明確なシャープなイラストといった特徴があります。床、正面の格子細工、シートの枠、窓枠、窓に取り付けられたすだれ、吊革の取っ手、天井に貼り付けられた絵が木製となっています(図「路面電車「みなと」の車内」、図「路面電車「みなと」のシート、すだれ、木の窓枠」、図「路面電車「みなと」の天井のイラスト1」、図「路面電車「みなと」の天井のイラスト2」、図「路面電車「みなと」の格子細工」)。ただし、防火のために一般的な意味での木製ではない可能性もありますが、少なくとも見た目は木製です。

路面電車「みなと」のシート、すだれ、木の窓枠
路面電車「みなと」のシート、すだれ、木の窓枠
路面電車「みなと」の天井のイラスト1
路面電車「みなと」の天井のイラスト1
路面電車「みなと」の天井のイラスト2
路面電車「みなと」の天井のイラスト2

シートは都市部の通勤電車同様長いシートが向かい合っていますが、一人幅の色の異なるシートが並んでいたり、一部のシートは倍の長さだったりと変化があります。天井のイラストも、色は同じで作風も似ていますが、よく見ると一つ一つ違っています(図「路面電車「みなと」の天井のイラスト1」、図「路面電車「みなと」の天井のイラスト2」)。照明も電球ぽい照明が並んでいますが、前後の端に青い照明が追加されています。電車のインテリアは全く同じシートや照明などが繰り返して退屈になるところを、変化をもたせてあるのがわかります。正面の格子細工はイラストのようにグラデーションを作れないので輪郭はシャープです(図「路面電車「みなと」の格子細工」)。天井のイラストは複雑ですがどのイラストも輪郭ははっきりとしています。外装のイラストも輪郭がはっきりしています。水戸岡デザイン定番である木の優しさと、モダンでシャープな作品に囲まれるという体験ができるインテリアとなっています。

路面電車「みなと」の格子細工
路面電車「みなと」の格子細工

長崎電気軌道のデザイン路面電車「みなと」をご紹介しました。外装も内装もあちこちが細やかにデザインされており、通常の路面電車とは異なる乗車体験ができるだけでなく、乗るたびに新しい発見があるはずです。現在は1両しかないので乗るのが難しそうですが、路面電車底床車運行情報等提供サービス「ドコネ」を活用するとよいでしょう。