全入りモバイルノートPC - Dynabook V82/ 72/ 62/ 42(東芝クライアントソリューション株式会社)

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Dynabook Vシリーズは、ここ最近の日本製ノートPCの例に漏れず、全入りモバイルノートPCとなっています。詳細な仕様は省きますが、高性能CPU、タッチ対応の12.5型画面、クリエイター用途にも使える本格的なペン対応、画面が裏まで曲がってタブレットPCに変形する機構、急速充電機能付きの長時間使用可能なバッテリー、高性能スピーカー、高耐久性、上位機種の顔認識、約1.1kgの重量など、現在の知られているモバイルノートPCに必要とされる要素のほとんどを備えており、モバイルPCの歴史を作り上げてきた東芝(東芝クライアントソリューション)渾身の製品と言えるでしょう。足りないのは、アダプタ不要の豊富なインタフェースくらいです。

デザインを見ていきましょう。機能満載のモバイルノートPCだけあって、審美的なデザインを施す余地が少なく、基本的に機能がデザインの多くを決めてしまうタイプとなっています。色は「オニキスメタリック」と呼ばれていますが、オニキスからイメージされる黒と言うよりは、明らかにグレーと言った色合いで、あまりメタリックでもありません(図「Dyanabook V62本体」)。グレーはわずかながら茶色に寄っており、無彩色の冷たい印象を和らげています。閉じているときに、上から見ると、角が多少丸い長方形、横から見ると、厚みは余り変化しない形状となっています。厚さは15.4mmで、画面が裏まで曲がるノートPCとしてはかなりスリムです。2016年秋のMacBook Pro 13インチは、Dynabook Vと画面サイズとCPUのグレードが似ているますが、厚さは14.9mmとDynabook Vより0.5mmしか薄くありません。MacBook Pro 13インチは、画面のタッチ機能はなく、画面の回転機能もないことを考慮すると驚異的です。

Dyanabook V62本体
Dyanabook V62本体

天板は、マグネシウム合金製となっており、横向きのヘアラインが入っています。ヒンジに近い側に「dynabook」の白いロゴが入っている以外は何も書かれていません。どこでも使えるような落ち着いたシンプルなデザインでありながら、冷たい印象になり過ぎないようにわずかに茶色っぽくしあるのは好感が持てます。ただ、あまりヘアラインのきめが細かくなく、質感はそこまで良好とは言えません。

左右の側面は基本的に、下に行くほどすぼまった形状をしています。これにより本体を持ち上げるときに手に取りやすくなっています。この形状は、マイクロソフトのSurfaceシリーズや、かつて一世を風靡した高性能モバイルノートPCであるSONY時代のVAIO Zの2代目を思わせます。側面が垂直に切り立ったノートPCと比べると、持ち上げやすさが明らかに違います。奥側左右のUSBポートなどが出ている部分などは垂直に切り立っています。

開いた状態を見ていきます。キーボード部分は、キーの色は黒で、キーボード全体は直線的なラインの入った傾斜によるへこみの中にあります。こちらも、SONY製2代目VAIO Zを思わせるデザインです。Dynabook Vの写真SONY製2代目VAIO Zの写真を見比べると、キーボード周りが似ていることがわかります。天板同様、書かれている文字は少なく、右奥に搭載スピーカーのメーカーである「harman/kardon」と、右手前に「dynabook」ロゴが白で書かれているくらいです。トラックパッドはほぼ長方形ですが、最近の東芝のノートPCの定番デザインを踏襲し、奥の左右の角がはっきりわかるように丸くなっています。手のひらが当たることを防ぐためでしょう。あと、タブレットモードのときにキーボードが机に触れないようにするための小さなゴム足が、左右の端とヒンジの手前に、目立たない色で取り付けられています。本体を支える裏のゴム足が黒いのと比較すると、目立たないようにしているのが明らかです。以上を合わせるとデザインの方向性が揺らいでいるように見えます。いくらか角を丸めた本体、直線的なキーボードの周囲、はっきりと丸くした角と鋭い角を持つトラックパッドと要素毎に方向性がバラバラです。キーボード周りが似ているSONY製2代目VAIO Zは直線的なイメージにこだわってデザインされており、それと比べると明らかに方向性があいまいです。

画面は、つや消しのパネルで覆われており、タッチとペン対応のディスプレイらしく黒い縁がかなり広めです。縁には天板がわずかに回り込んでその色が見えます。文字は左下に白く「TOSHIBA」が書かれているだけです。最下部の辺全体が少し出っ張っており、出っ張りの左右にヒンジが配置されています。画面側も余計な要素がないようにデザインされているのがわかります。タッチ対応画面の広い縁と裏まで曲がることに対応した左右のヒンジという組み合わせは、Let’s note RZやMXなどの画面が裏まで曲がる機種のデザインを思わせます。ただし、この類似性は、デザインをまねたと言うより、このような機能なら同じような形状になるということでしょう。

各部のデザインを見てきましたが、いくらか暖かみのある落ち着いたシンプルなデザインであることがわかります。ただし、細部を見ていくと、洗練しつくしたレベルではなさそうです。また、PC好きの方なら、SONY製2代目VAIO ZとLet’s noteの裏まで画面が曲がる機種をつなぎ合わせたように見えるかも知れません。ただし、機能と性能に関しては非常に優れており、デザインの細かな粗など気にする必要のないすばらしい製品であることは確かです。

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Let’s note RZ6のカラーカスタマイズ

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前回は、レッツノートRZ6のデザインの詳細について説明しましたが、今回は、色選びについて見ていきましょう。カスタマイズのページでシミュレーションができます。

まずは、「わかりやすく」好みの色を取り入れる方法を考えてみましょう。天板は画面の開閉に関係なく外から見えるので、天板カラーから決めていくのが良いでしょう。取り入れたい色をピンクだとしましょう。そうなると、「フローラピンク」が選ばれます。

次に、全体のイメージを決めるので先にボディカラーを決めます。ボディカラーは土台となることを考慮してなのか、2種類の色はどちらも落ち着いており、どれでもそこそこ似合います。暗くハードな感じなら「ジェットブラック」、明るくしたいなら「シルバーダイヤモンド」という感じでしょう。この辺りは、好みや他の持ち物とのコーディネイトとなるでしょう。「ジェットブラック」が気に入ったと選んでも良いでしょうし、白や柔らかい色の持ち物に合わせて「シルバーダイヤモンド」にするのも良いでしょう。このRZ6の世代では、VGA端子(外部ディスプレイコネクター、アナログRGB端子)のプラスチックが青から黒に変更されており、「ジェットブラック」に合うように変更されていることも知っておくと良いかも知れません。

さて、最後の仕上げがキーボードです。デザインに絶対はありませんが、手堅い方法である色数を抑える方法を使ってみましょう。ここで、ボディカラーとのカラーキーボードが少々複雑に関わってきます。「シルバー」以外のカラーキーボードは隙間が黒なので、「シルバーダイヤモンド」のボディカラーとは相性があまり良くありません。ボディカラーが「シルバーダイヤモンド」なら、カラーキーボードも「シルバー」となるでしょう。ボディカラーが「ジェットブラック」なら、カラーキーボードは、使用時に見える部分にも色を取り込める「フローラピンク」か、すっきり見せる「ブラック」になるでしょう。

ここで、ちょっと変化を付けてみるのも良いでしょう。色のトーンを合わせれば、別の色を取り入れてもおかしなことになりにくいので、天板カラーの「フローラピンク」の穏やかなトーンに合わせて「ドラジェブルー」のカラーキーボードも良さそうです。画面を閉じると柔らかいピンクが主体、画面を開いて使い始めると、柔らかい青が控えめに姿を現すという変化を作ることができます。

今度は、「一歩引いて」好みの色を取り入れる方法を考えてみましょう。好みの色を全面に使わずに小面積のみ取り入れるのも定番の方法です。取り入れたい色は、赤だとしましょう。カラーキーボードに「ライジングレッド」があるので、これを選びます。天板カラーとボディカラーは、主張のない色を選びます。徹底的に赤を引き立てたいなら、天板カラー、ボディカラーともに「ジェットブラック」となるでしょう。こうすれば、真っ黒なノートPCに赤のキーボードが際立つことになります。そこまで強調したくないなら天板カラーを「ジェットブラック」、ボディカラーを「シルバーダイヤモンド」にしてはどうでしょうか?色数が増えながらも有彩色は赤だけになります。天板カラーの「ジェットブラック」によりカラーキーボードの「ライジングレッド」の隙間の黒が浮きすぎないようにできるでしょう。

せっかくなので、パナソニックのおすすめと思われる組み合わせも見てみましょう。カスタマイズシミュレーションの初期画面は、天板カラーが「ハーモニックブルー」、ボディカラーが「ジェットブラック」、カラーキーボードが「ブラック」となっています。細かく見ると、おすすめの理由が見えてきます。まず、ボディカラーの「ジェットブラック」はRZシリーズにおいては新色であり、上でも述べたように、VGA端子のプラスチックを黒に変更するくらい、力が入っているように見えます。色数を抑える視点で見ると、天板カラーの「ハーモニックブルー」の組み合わせは、天板を「ジェットブラック」以外にする場合にはベストです。なぜなら、「ハーモニックブルー」の天板の「Panasonic」の文字は、唯一黒となっているからです。さらに、しばしば浮きがちなUSB3.0の青いプラスチックもむしろなじむ組み合わせです。これだけのことが偶然とは考えにくいので、カスタマイズシミュレーションの初期画面は、本当におすすめなのではないでしょうか。