木の内装とブルーメタリックの外装の路面電車 - 「みなと」(水戸岡鋭治、長崎電気軌道)

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JR九州の800系新幹線や特急「白いかもめ」、岡山電気軌道路面電車MOMOなどを手掛けたことで有名な水戸岡鋭治氏の作品が、長崎の路面電車にもやって来ました。長崎の路面電車の事業者である長崎電気軌道は、近年、乗り降りがしやすい新型の低床車両を複数導入していますが、この「みなと」(図「路面電車「みなと」の外観」)は、従来からある車両のリニューアルとなっています。

路面電車「みなと」の外観
路面電車「みなと」の外観

基本的な形状は、もちろん、路面電車の基本である細長い直方体ですが、古い車両らしく、角はゆるやかに曲り、正面と上面が緩やかに膨らんだ形状です。窓は基本的に角がとがった長方形ですが、正面の窓は正面の一番右上と一番左上の角に当たる部分のみ丸められています(図「路面電車「みなと」の外観」)。全体に昔ながらのイメージの形状です。

外装はブルーメタリックになっており、鉄道車両の外装としてはかなりきらびやかです。水戸岡デザインでは、文字や模様が描かれる場合が多いですが、「みなと」も例に漏れません。正面中央には、ゴールドの線で縁取られた黒い領域にゴールドの文字で描かれた「MINATO|みなと」、正面左下には同様にゴールド縁と黒の長崎電気軌道のロゴが描かれています。一方の正面右下にはゴールド縁に黒の猫が、もう一方の正面右下にはゴールド縁のみの猫が描かれています。長崎駅前電停で見た場合は、グラバー園に向かう正面側に、ゴールド縁に黒の猫が描かれています。側面中央には、正面中央と同じ「MINATO|みなと」や、ゴールドの線だけで描かれた「みなと」や猫が描かれています。側面の猫も黒塗りがあるものとないものがあります。また、猫はちょっとした注目ポイントで、よく見るとしっぽが曲がっています。長崎は猫が多い街ですが、それだけでなく、「尾曲がり猫」などと呼ばれるしっぽが曲がっていたり、変形したりしている猫が多いことでも有名なためです。長崎で猫を見かけたらしっぽを確認してみましょう。

路面電車「みなと」の車内
路面電車「みなと」の車内

内装も水戸岡デザインらしく、木の使用、繰り返しの中の変化、輪郭が明確なシャープなイラストといった特徴があります。床、正面の格子細工、シートの枠、窓枠、窓に取り付けられたすだれ、吊革の取っ手、天井に貼り付けられた絵が木製となっています(図「路面電車「みなと」の車内」、図「路面電車「みなと」のシート、すだれ、木の窓枠」、図「路面電車「みなと」の天井のイラスト1」、図「路面電車「みなと」の天井のイラスト2」、図「路面電車「みなと」の格子細工」)。ただし、防火のために一般的な意味での木製ではない可能性もありますが、少なくとも見た目は木製です。

路面電車「みなと」のシート、すだれ、木の窓枠
路面電車「みなと」のシート、すだれ、木の窓枠
路面電車「みなと」の天井のイラスト1
路面電車「みなと」の天井のイラスト1
路面電車「みなと」の天井のイラスト2
路面電車「みなと」の天井のイラスト2

シートは都市部の通勤電車同様長いシートが向かい合っていますが、一人幅の色の異なるシートが並んでいたり、一部のシートは倍の長さだったりと変化があります。天井のイラストも、色は同じで作風も似ていますが、よく見ると一つ一つ違っています(図「路面電車「みなと」の天井のイラスト1」、図「路面電車「みなと」の天井のイラスト2」)。照明も電球ぽい照明が並んでいますが、前後の端に青い照明が追加されています。電車のインテリアは全く同じシートや照明などが繰り返して退屈になるところを、変化をもたせてあるのがわかります。正面の格子細工はイラストのようにグラデーションを作れないので輪郭はシャープです(図「路面電車「みなと」の格子細工」)。天井のイラストは複雑ですがどのイラストも輪郭ははっきりとしています。外装のイラストも輪郭がはっきりしています。水戸岡デザイン定番である木の優しさと、モダンでシャープな作品に囲まれるという体験ができるインテリアとなっています。

路面電車「みなと」の格子細工
路面電車「みなと」の格子細工

長崎電気軌道のデザイン路面電車「みなと」をご紹介しました。外装も内装もあちこちが細やかにデザインされており、通常の路面電車とは異なる乗車体験ができるだけでなく、乗るたびに新しい発見があるはずです。現在は1両しかないので乗るのが難しそうですが、路面電車底床車運行情報等提供サービス「ドコネ」を活用するとよいでしょう。

6色から選べるパステルカラーの普及価格中型ノートPC- ideapad 320(Lenovo)

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Lenovoからideapad 320が登場しました。製品カテゴリとしては中型ノートPCとなりますがこのカテゴリの基本的な特徴はこちらをご覧下さい。

基本的な仕様を見ていきましょう。ideapad 320はバリエーションが複雑で、現時点では、第7世代Coreプロセッサ搭載モデル、第6世代Coreプロセッサ搭載モデル、Celeron搭載モデル、AMDプロセッサ搭載モデル、直販限定AMDプロセッサ搭載フルHDモデルがあります。ディスプレイは15.6型、直販限定AMDプロセッサ搭載フルHDモデル以外は解像度は1366×768ドットと近年の15.6型にしては低解像度です。性能面ですが、CPUは第7世代または第6世代のCore i5、i7、i3、Celeron、第7世代のAMDのAシリーズ・プロセッサなどとなっており、メモリは4、8GBとなっています。低めからそこそこ高性能までの幅がありますが、低い方でも一般的な利用には十分です。バッテリ駆動時間は4.5時間となっています。価格は45,000円からと比較的安価ですが、Core i7搭載の上位モデルは11万円程度です。

では、デザインを見ていきましょう。造形面においては、Macbook Pro的な定番のデザインですが、全体にプラスチックの質感となっています。全体の根本的な形状は厚みの変わらない長方形の板状ですが、手前や両サイドの縦の面などを斜めに削ってあります。キーボード面は、くぼませたキーボードエリアに大きな筐体を活かしてテンキーを含むアイソレーションキーを並べ、手前には大きめのトラックパッドを配置し、それら以外はフラットにシンプルに仕上げてあります。全体にシンプルでデザインに配慮されていますが、圧倒的なデザインというには足りないかもしれません。造形と比較すると色デザインの方が特徴的です。

色の方を見ていきましょう。機種のバリエーションも複雑ですが、カラーバリエーションの設定も複雑です。第7世代Coreプロセッサ搭載モデル、第6世代Coreプロセッサ搭載モデル、Celeron搭載モデル、すなわちインテルのプロセッサを搭載したモデルは、「オニキスブラック」(黒)、「プラチナシルバー」(シルバー)、「ブリザードホワイト」(白)、「デニムブルー」(青)、「コーラルレッド」(朱色)、「プラムパープル」(紫)の6色から選べます。AMDプロセッサ搭載モデルは「オニキスブラック」、「プラチナシルバー」、「ブリザードホワイト」の3色のみ、直販限定AMDプロセッサ搭載フルHDモデルは「プラチナシルバー」、「ブリザードホワイト」の2色のみと、AMDプロセッサ搭載モデルはモノトーンのみとなっています。欲しいカラーバリエーションがモノトーンでない場合は、インテルのプロセッサを搭載したモデルを選ぶことになります。

それぞれのカラーバリエーションの詳細を見ていきます。基本的には全体につや消しで、天板は鮮やかな色、キーボード面は多少つややかなパステルカラーとなっています。特に一部のカラーバリエーションのキーボード面の色合いは中々のものです。「オニキスブラック」は、天板は黒、キーボード面はグレーで金属のヘアライン加工風の柄が水平に入っています。キーはどのカラーバリエーションも同じグレーですが、「オニキスブラック」のキーボード面はキーより暗いため、キーが浮き上がって見えます。カラーバリエーション名に「ブラック」が入ってはいますが、キーボード面がグレーであるためあまり暗いイメージではありません。「プラチナシルバー」は、天板はグレーで、キーボード面はそれより少し明るいグレーです。「オニキスブラック」同様、キーボード面には「プラチナ」や「シルバー」のイメージにするためと思われるヘアライン加工風の柄が水平に入っています。本物の金属素材にはかなわないものの、カラーバリエーションの中では一番メタリック感がありクールな印象です。「ブリザードホワイト」は、天板、キーボード面ともに白です。あまりベージュっぽさやグレーっぽさのない明るい普通の白となっており、カラーバリエーションの中では一番明るく清潔感があります。

「デニムブルー」は、天板は比較的鮮やかなジーンズ風の青で、キーボード面はつややかな淡い青となっています。特にキーボード面の色合いは「プラムパープル」と並んで個性的できれいに仕上がっています。落ち着いた色合いのせいか、青系の割にはクールというより上品な印象です。「コーラルレッド」は、天板はIBMのトラックポイントの赤を思わせる朱色っぽい鮮やかな赤、キーボード面は天板と比べると非常に落ち着いた肌色に近いくらいの朱色っぽい赤となっています。カラーバリエーションの中では圧倒的に鮮烈な印象を与えます。「プラムパープル」は、天板はそこそこ鮮やかな紫、キーボード面は落ち着いたつややかな紫となっています。決してビビッドカラーではないのですが、そこまで落ち着いているわけでもなく、カラーバリエーションの中では、意外に派手目で個性的な印象です。

6カラーバリエーションから選べる中型ノートPCであるideapad 320をデザインを中心にご紹介しました。どのカラーバリエーションも、単に色合いが違うだけでなく、色デザインの方向性が細やかに変えてあります。モバイルではない用途で、内蔵ディスプレイに精細さが不要ならば、コストパフォーマンスの高い、デザインにおいても非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

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