すみのえアート・ビート2018に「ラバー・ダック」登場 - 「ラバー・ダック」(フロレンティン・ホフマン)

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「すみのえ」を冠した芸術系イベントが2010年頃からクリエイティブセンター大阪(名村造船所大阪工場跡地)において開催されており、昨年はすみのえアート・ビート2017が開催されていました。今年もすみのえアート・ビート2018が開催され、「ラバー・ダック」が姿を表しました(図「会場に展示される「ラバー・ダック」」)。

会場に展示される「ラバー・ダック」
会場に展示される「ラバー・ダック」

すみのえアート・ビート2018の「ラバー・ダック」はクリエイティブセンター大阪の会場内だけでなく、近隣のチェックポイントに小型や中型のものが展示されています。近隣のチェックポイントとしては、アート的に面白みのある場所が選ばれる傾向があるようで、今回のチェックポイントにはM@M(モリムラ@ミュージアム)が含まれていました(図「M@M」)。

M@M
M@M

このM@Mは、この11月3日にオープンしたばかりの小規模な美術館で、美術家である森村泰昌氏の作品を鑑賞することができます。このM@Mの2階のガラス張りのベランダに中型の「ラバー・ダック」が展示されており、外からでもベランダから顔を出す中型「ラバー・ダック」を楽しむことができます(図「M@Mの「ラバー・ダック」」)。

M@Mの「ラバー・ダック」
M@Mの「ラバー・ダック」

すみのえアート・ビート2018の会場では、例年通り、本物の「ラバー・ダック」や小型「ラバー・ダック」が展示されています(図「本物と小型の「ラバー・ダック」」)。

本物と小型の「ラバー・ダック」
本物と小型の「ラバー・ダック」

今年は、ドローンに載せられた「ラバー・ダック」が飛行し、風に揺れる「ラバー・ダック」にちなんだ作品(図「「ラバー・ダック」風の作品」)が展示されています。

「ラバー・ダック」風の作品
「ラバー・ダック」風の作品

また、芸術に特化した高校である大阪府立港南造形高等学校の生徒による部屋をまるまる使ったインスタレーションも力作で、薄暗い部屋に、非常に多数の白いリボンを吊るして、浮遊する白いリボンで形作られた洞窟のような不思議な空間となっていました(図「港南造形高校のインスタレーション」)。奥には、有名なゲームのスプラトゥーンに出てきそうな、青く塗られた世界が広がっていたり、プラスチックゴミで作られた船などが展示されていました。

港南造形高校のインスタレーション
港南造形高校のインスタレーション

チェックポイントでの仕事を終えた中型「ラバー・ダック」が、トラックに載せられて帰っていく姿も愛らしいものでした(図「帰途につく「ラバー・ダック」」)。

帰途につく「ラバー・ダック」
帰途につく「ラバー・ダック」

今回はアート・ビート2018の「ラバー・ダック」をご紹介しました。芸術作品「ラバー・ダック」自体は、もちろん例年同じものですが、会場内の小型「ラバー・ダック」やチェックポイントの中型「ラバー・ダック」の展示方法は様々に変化しています。これは他の「ラバー・ダック」が登場するイベントでも、飽きられないように同様の工夫がされていることが多いようです。すでに、「ラバー・ダック」を鑑賞されている方も、再びご覧になってはいかがでしょうか。もちろん、はじめての方は大いに楽しむことができるでしょう。

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つぶらな目、愛らしいくちばし、丸っこいゆるやかなフォルムを持ったアヒルのおもちゃの形をしながら、高さ9.5mの巨体を誇る「ラバー・ダック」は、オランダの芸術家フロレンティン・ホフマン氏による作品です。2007年に登場した作品ですが、日本では2009年に大阪で初めて展示されました。それ以来、大阪で川や海が近いイベントが開催されると、時々やって来てはイベントを盛り上げてくれます。「海フェスタおのみち~海の祭典2012尾道・福山・三原~」のために尾道に登場したこともありますが、大阪市内に登場することが多いようです。展示の詳細はこちらのページの「アヒルプロジェクト」をご覧ください。今回登場したのはすみのえアート・ビート2017の会場であるクリエイティブセンター大阪(名村造船所工場跡地)です(図「来場者に囲まれる「ラバー・ダック」」)。

来場者に囲まれる「ラバー・ダック」
来場者に囲まれる「ラバー・ダック」

「ラバー・ダック」は、クリエイティブセンター大阪のすみのえアート・ビートの常連であり、今回のすみのえアート・ビート2017でも木津川の水を引いた造船所の一角に浮かべられていました。アヒルのおもちゃは可愛らしいのが当たり前ですが、この「ラバー・ダック」は芸術作品らしく特に可愛らしく洗練された仕上がりです(図「「ラバー・ダック」の側面」)。目は大きくまんまるで、頭も丸っこくなっており、鋭さが出てしまうくちばしは小さめにして、ゆるやかな曲線で構成しています。体も、尾や羽が尖った感じにならないように、ゆるやかな曲線で仕上げてあります。また、水に浮かべる展示により、ゆっくりと揺れたり、わずかに回転したりと、静かで優しい動きが作品の優しさを引き立てます。また、単に洗練された造形であるだけではなく、その巨体によりやって来た場所の空気を一変させたり、背景との組み合わせにより印象が異なるのも最大の魅力です。

「ラバー・ダック」の側面
「ラバー・ダック」の側面

すみのえアート・ビート2017の会場内には、小型「ラバー・ダック」が様々な方法で多数展示されていました(図「小型「ラバー・ダック」によるタイトル表示」、図「「ラバー・ダック」に見守られる小型「ラバー・ダック」たち」)。

小型「ラバー・ダック」によるタイトル表示
小型「ラバー・ダック」によるタイトル表示
「ラバー・ダック」に見守られる小型「ラバー・ダック」たち
「ラバー・ダック」に見守られる小型「ラバー・ダック」たち

近隣のスタンプラリーのチェックポイントには、中型「ラバー・ダック」が街のささやかな作品の側に設置されていました。街の環境に貢献すべく建設された噴水に設置されたり(図「噴水に設置された中型「ラバー・ダック」」)、路上観察の世界では原爆タイプなどとおどろおどろしい名前の付いた建物撤去後の線を活用した街頭アートに向き合って設置されたり(図「ロバの絵と向かい合う中型「ラバー・ダック」」)しています。街のささやかなデザインの心遣いに気づくきっかけになるのではないでしょうか。もちろん、「ラバー・ダック」の小型も中型も可愛らしい造形は健在です。

噴水に設置された中型「ラバー・ダック」
噴水に設置された中型「ラバー・ダック」
ロバの絵と向かい合う中型「ラバー・ダック」
ロバの絵と向かい合う中型「ラバー・ダック」

すみのえアート・ビート2017に登場した「ラバー・ダック」をご紹介しました。「ラバー・ダック」は可愛らしさと、やって来た場所の空気を一変させる巨大さを持った不思議な作品です。さらに、イベントのときにしか見られないレアさもありますので、見てみたいと思ったなら、イベント情報には十分に注意しておくのが良いでしょう。